METAPHYSのペーパーナイフrassen(ラッセン)が公益社団法人日本鋳造工学会が選ぶCastings of the Year(キャスティングオブザイヤー)を受賞いたしました。
■Castings of the Year--------------------------------------------------------------------------------
2012年に日本鋳造工学会に設立されたこの賞は、鋳造業界では最高の栄誉で毎年最新技術を用いた優れた鋳物製品を表彰し、鋳物技術の向上と発展に寄与しています。
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今回受賞したペーパーナイフrassen、実はかなり特殊な製造技術が使われています。
通常のダイキャストでは、中央に開いた穴や両端の薄肉形状などにより、溶かした金属が金型全体にうまく回らない為、このrassenのカタチを実現することができませんでした。
もちろん金属の塊から削り出して作れば形状製作は可能ですが、時間もコストもかかり過ぎて量産向きではありません。
半ば製品化を諦めかけていた時、香川ダイカスト工業所が東北大学との産学連携により実用化した「ナノキャスト法」という特殊なアルミ鋳造方法との出会いがあり、穴の開いた薄肉のデザインを実現することができました。
「ナノキャスト法」とは、溶かしたアルミを専用装置に入れ、電磁力をかけてかき混ぜることでシャーベット状の半凝固状態に変化させた上で
鋳造する方法です。半凝固状態アルミは微細化された粒状の結晶となっており、均等な速度で固まるため、ムラの無い精密な成型が可能となります。
現在では、光学機器、家電製品、精密機器に使われる高精度な部品の製造に用いられています。
今回はデザインに対する賞ではなく、鋳造技術に対しての賞ではありますが、非常に難しいデザインの鋳造に挑戦し、
それが結果としてCastings of the Year受賞に繋がったことは、ただのデザイン提案以上に大きな意味があったと感じています。
香川ダイカスト工業所
http://www.kagawa-diecast.co.jp/METAPHYSペーパーナイフrassen
https://www.metaphys.jp/product/item/rassen-44140-paper-knife/